02.吸音ってなに?基礎編

 吸音は、音を吸うと書きますが、音のエネルギーを熱エネルギーに変えることです。でも熱くならないので吸音材を触っても大丈夫です。安心して下さい。この吸音する度合いのことを、「吸音率」といいます。遮音は音を跳ね返しますが、吸音は逆に音を跳ね返さないことをいいます。ボールを投げて、吸音材にぶつけて跳ね返って来ない方が吸音率が高いです。フトンとか、スポンジとか・・だから、吸音材は、大体みんなフワッフワです。

 でも、いくらフワッフワでも、空気(音)が入っていかないとあまり意味ないんです。フトンをビニール袋で包んだら、フトンは吸音材ですが、ビニール袋が遮音材になっちゃうんです。遮音は音を跳ね返してしまいますので、吸音しにくくなっちゃいます。
 吸音材って、一度入ったら抜け出せない、迷路のようなものです。フトンも良く見ると、繊維やら羽毛などが絡まって、めちゃくちゃ小さい部屋がたくさんある状態です。各部屋には入口と出口があります。音はこの迷路に入って色んな部屋を彷徨って出てこれない。小部屋がたくさんあって迷いやすいほど吸音率が高いです。


吸音材って、デコボコだったり、三角だったり変な形をしています。これは、迷路の入り口(表面積)を増やして音が入りやすいようにしているんです。だから、吸音材は小部屋が多く(厚い、大きい)、表面積が広い方が吸音率が高いです。でも、高い音に比べて、低い音って吸音しにくいんです。高い音は小人、低い音は巨人とイメージするとわかりやすいですかね?巨人は大きいから部屋に入りにくいんです。

デッドとライブ

 皆様、無響室って知ってますか?無響室は吸音材を大量に使った部屋のことで、この部屋に入ると音が全く跳ね返ってこないんです。入ってみたらめちゃくちゃ気持ち悪いです。ここまで吸音された部屋って、日常にはないので、違和感がスゴイです。無響室の中で歌をうたってみたんですが、絶望です。エコーがないのでめっちゃスカスカで下手に聴こえます。


 こういう、吸音された空間をデッド空間といいます。反対に、吸音をされていないお風呂場のような反響ウァンウァンの空間をライブ空間といいます。お風呂場で歌をうたうと上手く聴こえるという人もいますよね。音楽をやる人は、部屋の吸音材の量や位置を考えて、目的に合わせてライブとデッドのバランスを調整したりしてますね。(調音)

↓まとめます。

間違った防音まとめ