防音室の遮音性能

防音室がどれくらい音を遮断するのか・・それを表すものの一つが遮音性能です。※デシベル(dB)表記防音室の使用目的は、下記の2パターンが主です。

  • 1 室外の音を遮断し、室内に音が入ってこないようにする。
  • 2 室内の音を遮断し、室外に音が漏れないようにする。

いずれも、防音室自体の遮音性等をどの程度に設計するのか、数値として明確にし、評価基準とすることが重要です。ただ、この性能評価基準は、各社で異なり、非常にあいまいなものが多く、ユーザー側とメーカー間でトラブルとなることがあります。防音室の性能評価測定方法は、JIS 等を基準にしますが、そのJIS の種類、測定方法の違いによって同じ防音室でも異なる測定値となります。
「この防音室の遮音性は30dB@500Hz です」といっても、防音室の壁構造を公的試験場で測定したデータと実際に現場で測定したデータは異なります。その理由は測定方法、環境が違うからです。
コンクリートで囲まれ、完全密閉された試験場で、防音室の壁構造のサンプルを測定したら30dB@500Hz でした、だから実際に防音室を現場に設置しても遮音性は30dB@500Hz になりますと…これは違います。
現場ではドア、サイレンサーダクト、窓も付属しますし、床壁天井の接合部分の隙間、現場での工事精度による隙間や振動伝搬の影響など、遮音性能を欠損する要因は多く存在します。防音室の壁構造と防音室自体の性能はイコールではありません。メーカー公表値が30dB でも、実際に防音室を測定してみたら20dB 程度であったというのはよくある話です。

防音室の壁構造の遮音性能≠防音室の遮音性能

大手の防音室メーカーの一部や、防音を専門としない工務店の営業担当(一部)はこのような基本的なことを理解していません。
ではどうすれば良いのかといいますと、「メーカーには防音室の実遮音性能を保証させる」ことです。試験場での性能データは何の参考にもなりませんので無視してください。そもそも、同じ測定方法でも、試験場が異なれば、測定データ自体にも相違は発生します。
メーカーは遮音性能を保証することによって、現場調査、測定、実証測定を行います。また、事前に仕様書等の書面に性能保証値と実証方法について明記をします。性能保証を行わない会社は、防音会社ではありません。

性能保証=当然のこと、専門メーカーの義務

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