03.防音ってなに?基礎編

「防音」というと思い浮かべるのが、「防音室」だと思います。防音室はヘッドフォンのように、外の音が入ってこない様にする、または、中の音が外に漏れない様にするという目的で使われます。

 防音は音を防ぐことをいいますが、防音というのは「音を目的に合わせてコントロールする」ことなんです。ポイントは、「音の方向と行き先」をコントロールする。「音のエネルギー」をコントロールするという2つです。
 大まかにいうと、音の方向と行き先は、遮音でコントロールし、音のエネルギーは吸音でコントロールします。なので、簡単に言ってしまうと、防音=遮音+吸音です。
 よく勘違いされてしまうのが、遮音=吸音だったり、吸音=防音と思われてしまうことです。遮音は音を跳ね返して、吸音は音を跳ね返さないことですので、電池の+ーのように正反対だと思うとわかりやすいです。

<遮音だけ>

 遮音は音を跳ね返します。跳ね返った音は「消える」わけではなく、また別のものに当たって跳ね返ってこれを繰り返します。これが反響や残響になってしまうんですね。吸音をしないで遮音だけだと、お風呂場みたいにウァンウァンになってしまいますし、音が反響してしまうと、実際に発生した元の音よりも、うるさくなってしまうんです。だから、せっかく遮音をしても、反響してうるさくなった分、音が漏れる量が大きくなってしまいます。

<吸音だけ>

 吸音は音を跳ね返しませんので、吸音材だけでは遮音性はほとんどありません。跳ね返さないということは、音(空気)を通りやすい構造といえます。音が抜けやすいということは、遮音出来ませんよね。

 だから、遮音だけでも、吸音だけでも、防音は難しいです、↓の図のように遮音をして、さらに吸音をすることで防音室が作れます。

<防音のテクニック>

 遮音材で音の障害物を作ることで、音の方向と行き先をコントロールし、吸音で音のエネルギーをコントロールします。コンサートホールが変わった形をしているのも、どこで音を跳ね返して、お客さんにどのように聴こえて、どうやって減衰させて・・という音響設計(コントロールの手段)をしているんです。

 ただ、遮音材で四角い部屋を作っても、防音ってなかなか上手く行きません。四角い部屋に閉じ込めた音が、どうやって伝わるか、音響障害(フラッターエコーやブーミング)は?振動の処理は?換気は?窓は?透過損失は?残響時間は?など色々考えないといけません。はい、難しいですね。このあたりの知識を付けるには勉強もしないといけませんが、

 こんな厚い本とか読まないと・・

 でも、この本だけじゃ、解決出来ないことって多いですし、防音専門会社でも、防音工事をして、失敗してしまった例って世の中にたくさんあります。失敗をしたことがない防音専門会社ってまずないと思います。経験って大事です。勉強だけじゃだめですよって私がいうことじゃありませんが(笑)

 美味しいラーメン屋さんだって初めから美味しいラーメンつくれたわけじゃないし、日によって味も違うし、長年研究や試作など努力をして、美味しいラーメンがつくれる。他の人は簡単にマネ出来ませんし、作り方は教えてくれませんよね。防音も同じです。

 ↓まとめます。

<DIY防音のおすすめ>
 でも、防音の知識がない人がどうやって防音すればいいの? そこで防音女子である私の出番です。防音って難しいし、知られていないことが多いので、みんなで広めて行きたいです。質問受け付けております!

間違った防音まとめ